奏でるものは~第4部 最終章~



そんなとき千奈美と美輝に食事に誘われた。
千奈美は同じ茶道の関係者と秋には結婚する。


美輝は家の会社でバリバリと働いている。
一人暮らしを始めていて、以前から時々遊びに行っていた。


午後7時ごろ、美輝の家に行くと、既に料理ができていて、ちょうど出来たよ、と仕事終わりの私を迎えてくれる。


「美輝も仕事終わり?」

「今日は代休の半休を貰ったの。
千奈美と一緒に料理して歌織を待ってたのよ」

「そっか。代休いいなぁ。
千奈美はもうすぐ結婚式じゃない。
忙しい?」

「うん。バタバタしてる。
茶道関係者がメンドクサイ」

「歌織も千奈美もとりあえず食べよう?
歌織は?今日はここには泊まらないんでしょ?」

「あ、うん、ごめんなさい。
でも、泊まったことにしておいて?」

「それは、いいけど、今度はちゃんと泊まるのよ?
千奈美の結婚までには!」

「はーい。
車だから水もらうわ」



2人はビール、私は水が入ったグラスを持って乾杯した。