奏でるものは~第4部 最終章~



手を引かれた。
繋いだ手が、暖かい。
心も満たされる。
そして、手が離れると、物足りない。


「まだ、帰りたくない」


言ってから、ハッとする。
自分で驚いた。


―――きこえた?


優人さん?と見ると、じっと見つめる強い目があった。


「今のは…「行くよ」


なんでもない、と言いかけたが優人さんの言葉で消された。


「行くよ、乗って」


車に乗って、この前のホテルに行く。
フロントで少し話して、鍵を持った優人さんの後を追う。

部屋はこの前と同じだった。
寝室はリビングからは見えない。

ソファに手を繋いだまま座った。



「酔ってないよな?」

「お酒は飲んでないわ」