手を引かれた。
繋いだ手が、暖かい。
心も満たされる。
そして、手が離れると、物足りない。
「まだ、帰りたくない」
言ってから、ハッとする。
自分で驚いた。
―――きこえた?
優人さん?と見ると、じっと見つめる強い目があった。
「今のは…「行くよ」
なんでもない、と言いかけたが優人さんの言葉で消された。
「行くよ、乗って」
車に乗って、この前のホテルに行く。
フロントで少し話して、鍵を持った優人さんの後を追う。
部屋はこの前と同じだった。
寝室はリビングからは見えない。
ソファに手を繋いだまま座った。
「酔ってないよな?」
「お酒は飲んでないわ」

