優人さんが座布団を二枚並べてその上に仰向けになり、腕を頭の下に入れて寝転ぶ。
「他には聞きたいことないの?」
「う…趣味?」
アハハハ…笑いだした優人さん。
「お見合いか?住んでるところに趣味って。
なんか、仕方なく聞いた、みたいな?」
「だって聞けって言うから…」
「分かったよ、趣味は仕事」
はぁ?
「…がんばってください」
「お前は?家は?」
「実家。ついでに趣味は音楽」
「ついでに、って、まだ聞いてないのに。
しかも、変わってないんだな、お前の趣味」
二人で笑った。
でも、趣味を覚えていてくれたことが、嬉しかった。
その後はテレビをつけて、喋りながらお茶を飲んだ。
のんびり寝転んだり、お茶を飲んだりとマイペースな優人さんに、触れてみたい、そんな気持ちが沸く。
本能で望む気持ちは、否定できない。
本当の気持ちだった。
ノックする音がしてドアが開いた。
「失礼します」
お店の人が料理を運んでくるが、どう見ても鍋物の準備。
手際よく机に並べられて、コンロに火をつけて去っていくと、さっきの女将さんが入ってきた。
「しゃぶしゃぶです」
といいながら、野菜を入れていく。
「沸騰したら………」
説明を聞きながら、鍋をじっとみる。
女将と優人さんが話しているのを笑顔で相槌をうちながら、世間話を聞いていた。
「今日はお酒はだめですよ?
では、ごゆっくり」
鍋が沸騰してから、肉を入れて引き上げる。
優人さんが同じことをしていたので、肉は自分の器に入れた。
「いただきます」
昼食が軽かったので、かなりの量を食べたが、優人さんはまだまだ食べていた。

