奏でるものは~第4部 最終章~



「行こう」

駐車場に停めてから二人で歩き出す。
優さんが買うより先に、チケットを二人分買った。


「あ、やられた」

「いつも出してもらってるからね、私も一応社会人だし」

「そうだな」

笑って私が買ったチケットを1枚受け取ってくれた。


水族館に入ると、大きな水槽で泳ぐ魚をしばらくみて、奥に続く暗い道にある小さな水槽も見て回る。


異次元に迷い混んだような気持ちになり、海の底の世界を思いやる。


「大丈夫か?」

ちょっと思いに耽りすぎたらしい。

「ハハハ、ちょっとどっかいってたね、ごめん」

「さっきからずっと、どこ行ってんだ?お前の意識は」

「うーん、気分は乙姫?」

「おめでたいね、かおりちゃん」

「うるさい」


やっぱり、楽しい。


私達、どう見えるんだろう?