ラウンジでは、海が見える窓辺のカウンターに座った。 ラウンジの照明は暗いが、海が見えるはずの窓は、ラウンジの光が映る。 注文した飲み物が運ばれてきた。 「ごゆっくり」 店員が去ってから、グラスをそっと合わせて乾杯する。 一口飲んでから、静かに優さんが話し出す。 「龍は、婚約したらしいな。春菜と」 「あ、去年婚約したわね。 結婚はまだみたいだけど ……友達が結婚するって楽しみよね」