「妹の歌織です」
会釈をしながら兄の横に行く。
「ああ、噂は聞いてるよ、昇進おめでとう、うちの息子たち共々今後ともよろしく頼むよ」
目をあげると整った顔の初老の男性が笑顔で言っていた。
視界に入った男性二人に一瞬固まる。
優さんとお兄様?
それでも、笑顔で自己紹介する。
「西田歌織です。
こちらこそ若輩者ですが、今後とも是非よろしくお願いいたします」
名刺を出すと3人に名刺をだされ、笑顔で名刺を優さんとお兄様とも交換した。
「如月さま、ですよね。
いつもお世話になっております」
社長である優さんの父親は、笑顔で
「いや、こっちこそサイタ家にはお世話になってるからな……」
と言いかけた時、後方で呼ばれて、じゃ、と立ち去った。

