すべて食べ終わり、それを見計らったように、膳を下げてお茶を持ってきてくれた。
若女将が、出ていくと優人さんが話始めた。
「前向きに進めるように言うよ。
でも、今までも付き合ってきたことも言う。
昨日のこともあるから、今、言わないと、後で問題がでてくるだろ?
歌織は言いたいことを言ったらいい。
それで破談にはならないから。
いや、しないから」
「そう、よね」
不安もあるが、前向きに話が進むならしっかり話し合うには良い機会だと思う。
「でも、優人さん、仕事辞めるなんてなしよ?」
「わかってる」
両親が戻ってきたのか足音が聞こえる。

