奏でるものは~第4部 最終章~



すべて食べ終わり、それを見計らったように、膳を下げてお茶を持ってきてくれた。

若女将が、出ていくと優人さんが話始めた。


「前向きに進めるように言うよ。
でも、今までも付き合ってきたことも言う。

昨日のこともあるから、今、言わないと、後で問題がでてくるだろ?

歌織は言いたいことを言ったらいい。

それで破談にはならないから。

いや、しないから」


「そう、よね」


不安もあるが、前向きに話が進むならしっかり話し合うには良い機会だと思う。


「でも、優人さん、仕事辞めるなんてなしよ?」

「わかってる」


両親が戻ってきたのか足音が聞こえる。