奏でるものは~第4部 最終章~



襖がそっと開き、失礼します、と料理が運ばれてきた。

最後に残った女性が

「若女将の桐江です。
今後ともご贔屓に……」

と料理の説明を丁寧にした後、部屋を出ていき、再び二人になった。

ため息を1つ小さく吐いて

「いただきます」

と箸をとった。

黙々と食べながら、これからどうなるの?と頭を働かせる。

この後、両親たちがまた来るだろう。

その時、どうするのか?

問題もなく結婚できる可能性がみえたが、結婚生活が見えない。


ホッとする気持ちと、分からないからこその不安が入り交じる。