襖がそっと開き、失礼します、と料理が運ばれてきた。 最後に残った女性が 「若女将の桐江です。 今後ともご贔屓に……」 と料理の説明を丁寧にした後、部屋を出ていき、再び二人になった。 ため息を1つ小さく吐いて 「いただきます」 と箸をとった。 黙々と食べながら、これからどうなるの?と頭を働かせる。 この後、両親たちがまた来るだろう。 その時、どうするのか? 問題もなく結婚できる可能性がみえたが、結婚生活が見えない。 ホッとする気持ちと、分からないからこその不安が入り交じる。