翌日は全社員に内示が発表されて、異動があった者もなかった者も、様々な異動に驚いているようだった。
「いつの間に、サイタさんになったの?」
隣の課の同期の那奈が話しかけてきた。
「生まれた時からよ」
「そうだったんだ。
ビックリしたわ。
なんか、急に遠い人になっちゃった感じ」
「あんま、変わらないよ」
「そーかなー?
ま、お祝いにあげるよ」
といつもくれるミルクキャンディを机に置いて行った。
「ちょっとショックなのかな?
歌織、気にしないのよ」
「ありがとう、彩月」
それからは、引き継ぎについてのスケジュール調整やイベントの打合せで1日が終わり、翌日からは本社での引き継ぎや研修、今の仕事の引き継ぎとイベントの準備に忙殺された。
姉の命日もゆっくりすることはなく、家の仏壇の前で手を合わせた。
24歳の4月。
入社3年目を迎えた

