外からの音を、完全に遮断している、静まり返ったスタジオ内…


時計の針は、もうすぐ0時をまわろうとしている。


クリスマスか…


ドンチャン騒ぎで、酔い潰れ、スタジオの外のトイレで、ぐったりしている隆志…


完全に寝てしまっている、優子…


亮といえば、彼女と抜けたきり戻ってこない…


唯一、酒を飲んでいない俺は、一人取り残された感じになっていた。



「ふぅ…イベント、出たかったな…」


「……そらくぅん」


「み、美紗?だいぶ酔ってるなぁ…あんまり飲めないって言ってたのに、無理するから」


「だいじょう…びっ!ヒック!」


大丈夫に見えないんですけど…


俺は煙草に火をつけた…



「未成年の喫煙は、禁止されていまふぅ…へへっ!言ってみたかっらの…」


「こりゃ駄目だな…完全に酔っ払ってる…」


「バント、頑はっていこぉ〜ねぇ…空くぅん」


「あぁ、一緒に頑張ろうな。ずっと一緒に…」


「なにぃ?!ずっろ一緒にいたいのぉ?あたしとぉ」


……はっ?!


「いや、そうじゃなくて、バンドをね……」




!!!!!!!!!!




抱き着かれた瞬間…美紗がしている香水の匂いが、フワッと香った。


俺の心臓の音は、室内全体に響いてるのではないかと思うくらい、高鳴っていた。


美紗が、俺に密着状態…


強く抱きしめられている…こんな状態じゃあ、絶対に、美紗にも伝わっているはずだ…


この…胸の鼓動が…


「み、美紗……」


理性が…失われていく…




「らぁいすき!」


ドキッィ!!!!


今、美紗、好き…って言った?


美紗は、俺のことが…


…好き?




……ZZZ…


またこのパターンかよ!!


勘弁してくれ…優子といい…この美紗といい…


こんなに泥酔してたら、本当の事なのかさえ解らない…


………しかし………


美紗って本当に可愛いよな…



…………………



……キス…してみようかな…