ーそしてデートの日。


別れを告げることはなかった。


途中で事故に遭ったから。


体全体に伝わる鈍い痛み。


まわりに広がる赤い海。


だんだん苦しくなる呼吸。


もう死ぬのかな…


怖いな…っ。





そしてしばらくして、私は空へと旅立った。


「優菜っ!優菜…っ!」


雅人が必死に呼んでくれるけど、返事をする


ことは出来ない。


「なあに?」


そう答えたいだけなのに…っ。