居良~居場所をくれた不良のきみ~

そのあと、一言も話すこともなく。


どんどん時間は流れていった。


「雅人くん…?」


誰かが雅人さんを呼んだ。


それは女の子の声だった。


「愛菜(まな)さん…っ。」


雅人さんは驚いていた。


そして今にも泣きそうだった。


「隣は彼女さん?


可愛らしいじゃない!」


「違いますよ…っ。」


「あーら、残念。


まさか優菜(ゆな)がいるからとかじゃない


わよね?


まだ凹んでんの?


それなら許さないわよ?


あ、それと…ちょーどよかったっ!


これ、優菜から。


雅人くんが次会ったときにね、まだ過去を


乗り越えられてなかったら渡してほしい


って言ってたの。


1人でゆっくり読みなさい。


彼女さん、私達はあっち行くわよ。」