「―――くそっ、痛いなこんのヤロ…っ」
死んでない、死んでない、えぇ死んでません。
死んでません、が。
「死ぬほど痛い…」
敵さんに突っ込んで見事銃兵隊を倒したやったぜフー。なんて一息つけるわけもなく。
だって周りを見渡せば敵、敵、敵。
蟻に集(タカ)られる飴の気持ちが分かったような気がした。
怖いウザいキモい。
ちょっと死にそう。
さっきは土方にカッコ良く言ったけどあれはアドレナリン爆発中だったんだ、絶対そう、そうに決まってる。
よく映画や漫画とかで拳銃に撃たれてるシーンとかあるけど撃たれて喋ってるアイツ等ヤバい、きっと人間じゃない。
だってかすっただけでこんな痛い。
ありえない、すっごい痛いじゃん。
けどいちいち傷を気にしてたらマジで死ぬ。
今は土方からの命令を遂行しなくては。
絶対、帰るんだ。
…と必死に斬って離れて斬って離れてを繰り返しやっと敵さんの姿が見えなくなった今。
アドレナリン切れた。
些細な傷が痛い、心臓が移動してるみたいに脈打つ。
おい待てアタシ一体心臓何個あるんだもしかして今アタシ無敵じゃないのかだって心臓何個もあるんだぜヤバくねー
とか思っちゃうあたり頭も働いてないみたいだ。
「はは…」
死んでない、死んでないけど…休んでいいかな。
…ダメダメ、寝たら死亡フラグ。
歩かなくちゃ。



