「なあ頼む…生きてくれ」 震える手が、腕が。 湿る着物が、皮膚が。 体、空気、全てで訴えていた。 「…は、い、っ…」 初めて見た沖田さんの弱さ。 本当は土方だけが知るもので、アタシはここに居なかった方がよかったのかもしれない…と漠然に思った。 慶応四年 三月 沖田総司 新選組離脱