扉の向こうから現れたのは、170cmくらいの、ふわっとしたストレートな髪の男の子だ。不思議なことに、彼は目を閉じていた。教室に入る時に目を閉じるやつがどこにいる。
しかし、クラスが最も驚いたのは彼が持っていたものだ。
彼は白い杖を持っていた。
その転入生は杖を周りのものにカンカン当てながら教卓のそばまで進んだ。途中で彼の杖に机を当てられた生徒は一人ずつビクッと肩をあげていた。
彼は教卓の隣に来たことを杖で確認したら、私たちのほうを向いた。
そして、彼は息を吸って言った。
「藤原玲央です。よろしくお願いします。」

