担任の先生が入ってきて、自己紹介をした。

「えーっと、このクラスを担当する野上でーす。まぁ、みんなもう知ってるだろうけど。」

野上は去年も私たちの学年に国語を教えていた。

「えー、これから中学二年生ということで、みんな仲良くな。面倒な仕事をこれ以上増やさないでくれ。」

それにクラスは少し笑った。もちろん、私も目を細めて笑った。


「そうそう、転入生が居るんだ。ちょっと事情があるやつなんだけど、大変だと思うがよろしく頼む。もうすぐ来るはずなんだけど・・・あ、きた」

ドアからノックの音がして、ざわついていた教室が静かになった。


「おー、入っていいぞー。」


先生がそう言うと、教室の扉がガラッと開いた。






カツ、カツ。