新しいクラスの扉を開けた直後に、私の名前を叫ぶ声がした。
「真菜ちゃぁぁぁぁん!!!!」
飛びついてきたのは去年も同じクラスだった可奈と千尋だった。
「よかった〜、一緒で!違うクラスだったらどうしようかと思ったよ!!!」
千尋は涙目で私の肩を揺らしながら叫んだ。
だから私も少し瞳を濡らして言った。
「私も〜!!今年もよろしくね!」
次は可奈が、「当たり前じゃん、心の友よ!」と言った。
心の友、か。
間違ってはいないかも。
去年はクラスの人全員から好かれて、私も全員に興味があるかのように接した。
可奈と千尋は例外ではなかったが、必然的に一緒にいる時間が多かった。
それはおそらく、二人が私と一緒で、心が腐っているから。
こうやって親友ぶったりしているけど、私は知っている。一年なのに先輩をいじめたり、ムカつく女子の制服を体育の時間の間に盗んだりしていたこと。
でも、好かれさえすれば、彼女らは憧れの目で私を見る。
世の中は意外と単純にできている。顔が良ければ、男に好かれる。性格がよければ、女に好かれる。その両方を完璧にこなせる人間が、最終的に勝つ。
それにいち早く気づいた私は、もうすでに勝ち組にいる。