昼休み、私は可奈と千尋と一緒に購買で買った菓子パンを食べながら話をしていた。
「そういえば、最近藤原くん休み時間にいないよね。」千尋が言い出した。
「あー、確かに。どこいってんだろ。見えないなら無駄に移動する必要ない気がするけど。」そう言って、二人は笑った。私も、全く乗り気じゃなかったけど、作り笑いを見せた。
可奈が言った。「まぁーしょうがないよね。西崎たちにはぶられたし。」
私たちは彼らの方を見た。うるさく何かを議論しながら笑っていた。もちろん、そこには藤原の姿はなかった。
「西崎くんたちもあそこまで態度に出すこともなかったと思うけどね。」私は言った。
すると千尋が私に向かって言った。「真菜ちゃんはお人よしすぎるの!だってはっきり言って、藤原くんって自分じゃ何もできないじゃん。周りに迷惑してたことをきちんと伝えたほうがみんなのためだったんだよ。」
可奈が賛成するように頷いた。「そうそう。それに、最初は言いにくかったんだけど、正直言って顔そんなカッコ良くもないし?」
千尋が大声をあげて笑った。「そこ!?でも私も思ってた。性格も顔も地味とか、むしろなんで最初あんな仲良くしてたんだろう?」
私は腹を抱えて笑いながら藤原のことをバカにする二人を見て、身の底からこみ上げる何かを抑えながら偽りの笑顔を作り出した。
あぁ、疲れる。
二人が会話に夢中になってる間に、私は藤原の無人の席を見た。
教室にクラスメイトの笑い声が響く中、その机はとても寂しく感じた。

