あの昼休み以降から、西崎らははっきりと藤原に意思を態度に出すようになった。

クラスのみんなも、空気を読んで藤原にあまり話しかけないようになっていた。なんせ、私を含め西崎らはクラスのリーダー的存在だ。彼らに敵対するようなことをしたら、何があるかわからない。

その怖さを、私は一番よく理解している。だから、最も安全な場所を確保しながら私はいままでクラスに馴染んできた。敵を一人でも作らないように。



藤原は徐々にクラスから孤立していった。自分から話しかけても返ってくるそっけない態度で勘付いたのか、彼もクラスの急な敵対心に抵抗しようとはしなかった。西崎らは藤原と話さなくなったし、私たちは昼休みに彼を見かけないようになっていた。

クラスは前以上に賑やかになり、藤原の存在感は前以上に薄れた。





私は思った。


まるで、このクラス、そして藤原自身も、『藤原玲央』のクラスの一員としての存在を消そうとしているかのようだ。