クーラーが効いた涼しい教室で、子守唄のような声で呪文を唱える古文のおじいちゃん先生。


教室は真面目にノートを撮る者、眠気に負けて机に突っ伏す者、必死に眠気と戦ってる者、近くの人と小さい声でお喋りする者とそれぞれ。


お昼過ぎだしね、眠気はピークを迎える。


これが終わったら、写真が撮れる。


授業よ、早く終われ。


風で揺れる草木。


夕日に照らされる教室。


コンクリートの間に強く咲く花。


たまに学校の裏庭に現れる猫。


授業中必死にノートに板書するクラスメート。


昼休み、友達と笑い合う同級生。


風のように校庭を走る陸上部。


廊下で練習する吹部。


この授業の風景でさえ、写真に撮りたい。


切り取りたい。


一瞬を、永遠にしたい。


撮りたい衝動が止められない。