3年生の引退前最後の大会前の練習で、俺らもいつも以上に気合いが入っていた。


1試合でも多く、1秒でも長く、試合がしたい。


それが叶うなら、何リットルでも汗をかいてやる。


どんなに汚れても構わない。



***



休憩していたとき、君がカメラを向けてるのに気がついた。


誰か好きな人でもいるのかとか思ったけど、すぐに練習再開の指示が聞こえてきて、軽く汗を拭いて走って戻った。


振り返ると、まだ君はカメラを向けていた。


誰を撮ってるんだろう。


単純に興味が湧いたんだ。