「ほら!」
「ジャジャーン」と見せてくれたのは、ただの校庭で。
特徴と言えば部活をしてる人たちがいるくらい。
あと、空が微妙に紫になって、不思議で綺麗なグラデーションになっている。
「何がジャジャーン?」
「カッコよくないっすか?」
「何が?」
「よく見てください。サッカー部とか陸上部とか」
風が少し吹いていて、まだ少し昼の蒸し暑さが残る夕方。
低くなった太陽の光に照らされて光る汗。
真剣な、でもどこか楽しそう、と同時に何か噛み締めるような顔。
あぁ……
康介が言ってたのはそう言うことか。
「うん……。すごい、すごいね」
「俺、こういう“ザ・青春”っていう写真好きなんすよ」
「うん」
「いい写真が撮れそうですよね」
本当に。
本当にそうだと思う。

