綺麗な日本庭園を通る時も、堀井君の口は開きっぱなしだった。


玄関で呼び鈴を鳴らす。

『友ちゃん?』

スピーカーから四谷先生の声が聞こえた。

「あ、そうです。こんにちは。」

『開いとるけん入って。』

「はーい。」

あたしが玄関の戸を開けようとすると堀井君が、

「待って。俺、緊張してきた。帰っていい?」
なんて言ってきた。