〜ちひろside〜

「ちひろ、瀬川から聞いたよ!また告白されたんだって!?」

部室で着替えていると花音がニヤニヤしながら
聞いてきた。

アイツ…喋ったな。

「されたけど、振ったよ。」

「なんで!?サッカー部のキャプテンって
超イケメンの伊藤先輩でしょ?!
勿体無いよ!!!」

「……。」

「こないだは、同じ学年の野球部のエースに
告白されたのに。揺れないの?」

「……。無理だよ。だって。」

「うん、そうだよね。ごめん。今のは私が悪かった。あんたにしたら瀬川が一番だもんね。」

「……素直になれないよ。」

瀬川に告白しょうとしたけど関係が壊れたら
嫌だし、色々考えていたら今日のタイムは
最悪だった。

「舞浜、大丈夫か?今日いつもと調子悪いから。」

「大丈夫です。」

いつも私を心配してくれる長山煇先輩。
そんな優しさに心を打たれてしまう。

「あまり無理はするなよ。」

頭を撫でてくれた。
そんなシーンを、瀬川が見ていたとは知らなかった。