玄関で先生達を見送ると、
「唯歌すごいね」
と母がポツリと呟いた。
「歌織、ごめんね。
私、仕事戻らないと」
「うん、いってらっしゃい」
気持ちを切り替えたらしい母を、笑顔で送り出す。
それでも、あの日から明らかに痩せていく母の身体を心配せざるを得ない。
私の前では、明るくしているのだろうけど、本当は、両親が姉の前で泣いているのを知っている。
言葉で慰めることも、励ますこともできない。
悲しみを分かち合うには、どうすればいいのだろう。
両親の辛さは、想像を絶しているのだろう。
私は私らしく、生きていく、それだけしかできない。

