奏でるものは~第1部~



そして、理事長が言った。


「一人の教師として、在学中に亡くなる生徒がいることは、本当に苦しいことです。

関わりが深かった教師にとっては特に、です。

唯歌さんは、幼稚園からこの学園で過ごし、生徒たちも全員が顔見知りでした。


寂しく思うのは私達が生きているからで、生きている限り、若く夢半ばで亡くなった唯歌さんを忘れてしまうことがないよう毎日を大切にしてほしい。


生きていることが当たり前ではなく、今の瞬間を大切にすることが生きることになる、と今日の始業式で話しました。



私の主観ですが、御家族の方たちとは比べ物にならないでしょうが、身近にいた人がいなくなるのは、誰しもショックを受けるものです。


思春期で感受性が豊かで、また今まで大きな不幸にあったことがない人も生徒たちの中には、いるはずです。


生徒たちも職員も辛い思いをしていますが、これからさらに一生懸命に、生きていきたいと思っています」



「歌織さんも、新しい学校で自分の夢のために頑張ってください。


あなたも私達の卒業生で、大切な生徒なのですよ」



理事長と校長の言葉に胸が熱くなった