奏でるものは~第1部~



翌日、兄と二人で、事故現場に花を持っていった。

既に花が手向けられていて、事故現場はすぐに分かった。


手を合わせた後、花は持って帰った。

近くのパーキングにとめた兄の車に向かいながらも、なんとなく事故現場を感じて、胸が一杯になった。


無言でいた私達だったが、喫茶店でも行くか、と兄の声が聞こえた。


頷くと、どこに行こうかな、と一人呟いていた。



山の方



小さな声で言うと、おう、と返事があり、車に乗り込んだ。

山道のドライブウェイに向かい、運転しながら兄が言った。

「俺も明日、本社に顔出して、出張先に戻る

お前も塞ぎ込むより前を見ろよ」


「分かってる」


その後は結局、山の方に行ったが喫茶店はなく、自販機でジュースを買って二人で広場のようなところで飲んだ。

「結局、喫茶店ないじゃん」

「田舎過ぎだろ?ただのドライブだったな。
空気は良かったけど」



ちょっと気持ちが軽くなり、二人で笑いあった。