唯歌の葬儀は親族と友人と本当にお世話になった人だけでとりおこなわれた。
たくさんの献花は届いていたが、参列者に両親の取引先等の人はいない。
姉の死を、仕事などの取引には使わないよう、両親の考えだった。
学園の先生方はきていたが、友達は姉と仲良かった人だけだった。
そのため、すすり泣きや嗚咽が響く、それでいて静かで悲しみと悼みが渦巻く会場だった。
千奈美と美輝も家族と来てくれていたが、遺族と参列者としての挨拶以外話さなかった。
いや、私が話せなかった。
お辞儀をすることで精一杯だった。
火葬場でドアが閉められるとき、涙が止まらなかった。
誰もが姉の早すぎる死を悼んだ。
あっけなく散った命。
儚い。
もう、お姉ちゃんがいないことが、信じられなかった。
葬儀が終わり、遺骨は母に抱かれて帰宅した。

