奏でるものは~第1部~




病院に着くと、

「こちらです」

と案内された。



病室のドアを開けると内蔵が裏返るような、全身が大きく脈を打った感覚が襲い、足がとまった。



そして目を疑った。



点滴とピッピッと鳴るモニターに繋がれ、呼吸器で鼻と口をおおわれた姉が白い顔でベッドに寝ている。



ベッドの足元の医者と看護師の顔を見ると

「声をかけてあげて」

と、言われ


「お姉ちゃん!」


とベッドに走り寄った。