「あれ?陽菜ちゃん?」








柚希の彼女であろう子が何故か私に話しかけてきた。








話したこともない、目が合ったこともないのに。









なんで私の存在を知っているの?









「陽菜、大丈夫かよ?」








最悪、何で…








「陽菜?」








『あ、帰ろっか。』








それ以上見ていたくなくて、私は二人がいる方とは逆に足を進めた。









「陽菜…」









柚希が私の名前を呼ぶ声なんて、聞こえなかった。








「なんか、よく分かんないけど。
陽菜を傷つけないで下さい。

それじゃあ。」








裕大が柚希に言った言葉も知らなかった。