そんな事、誰にも分からないでしょ。



例え、私の事が好きだとしても。
きっと、私は柚希の優しさに耐えられないと思う。



付き合って、一緒に過ごしたら、沢山の幸せをくれる柚希の隣に居るのが辛くなりそうで。



虚しくなりそうで、悲しくなりそうで。



素直な笑顔は作れない。




『そんなの、分かってるよ。
だけど、苦しいの。

どうしようもないくらい、苦しい。
悲しくてしょうがない、すぐ近くに居るはずなのにっ、凄く遠くに感じる。

あの笑顔を見たいのに、もう見たくない。嘘の笑顔なんて見たくないの。』




「陽菜ちゃんっ、

柚希は嘘の笑顔なんて、してない!
柚希は陽菜ちゃんの前で、ちゃんと笑ってた。

誰よりも大切だから、どうしても悲しませたくなかったんだよ。

なんでっ、」



私達はどこですれ違ったのだろう。



拓磨くんをこんなにも、悲しくさせるほど私は余裕がなかった。




その時の私は、ただ想いを叫び泣くことしか出来なかった。