陽菜ちゃんが帰っていく背中を見ていたら、何だか悲しくなった。



虚しくなった。


俺は何回陽菜ちゃんに、助けられればいいんだろう。



俺は助けられるんじゃなくて、陽菜ちゃんを助けたいのに。


1人、空き教室で考えているとあっという間に時間が経っていた。



『そろそろ帰るか』



はぁ、どうすればいいんだろう。



そんなことを考えながら、校門まで歩く。


校門前を通り過ぎる時、陽菜っていう単語が聞こえた。



『あいつが、裕大?』


そいつは誰かと電話してるみたいだった。



「なんか、ややこしい事になったんだよねー。

上手くいくと思ったのにな、
まぁ、引き続き頑張るわ」



何の話だ?
陽菜ちゃんを落とす計画か?



「陽菜、
絶対俺を好きにさせて見せる」



こいつは、ただ純粋に陽菜ちゃんの事が好きなだけなのか?



いや、でもそんなはずは。
まだ、わかんないだろ。



何自分で色々考えてるんだろう。



おい、お前はどっちなんだよ。



良い奴か悪い奴か。