君の傍にいたいのに。

『いいよ、もう何も話さなくて。

私、応援するよ。
拓磨くんの恋を。』



そっと、抱きしめた。
今までの私だったらありえない行動。



「陽菜ちゃんっ、」



あまりにも、悲しそうな顔をしていたから。私まで苦しくなったから。



一瞬驚いた様子の拓磨くんは、数秒経ってから私の背中に腕を回した。



「ごめんな、」



『うん。』



しばらく、こうしていよう。
何故かこの時、拓磨くんが無性に愛おしく思えた。



数分経って拓磨くんが、腕を外した。



「陽菜ちゃんごめん。
そして、ありがとう。」



『いいえ、拓磨くん頑張ってね。

上手くいくように、応援する。』



そう言うと、
また苦しそうな顔をした。



私には分からない、その悲しそうな顔の意味を。



『時間取らせちゃってごめんね。』



「全然大丈夫!

俺もう少しここに居るから、陽菜ちゃん先に帰りな?」



『分かった、じゃあね』