「それは、
陽菜に気にかけてほしくて」



どんな理由でも、
そんな嘘はダメだよ。



『もしまいちゃんが、柚希のこと好きだったらどうするの?

そんな遠回しに傷つけて、一番辛いのはまいちゃんだよ。』



「それは反省してる。

陽菜俺は、
陽菜を止めようとは思わない。


だけど、あいつだけはやめておけ。」




あいつって裕大のこと?


『なんで、なんかダメな事があるの?』



「あいつは最低な奴なんだよ。」



裕大が最低だとは思わないよ。
だって私を元気づけてくれたから、支えてくれたから。



『それは、自分で決めるよ。』



「本当に、やめとけって!」



これ以上話しても色々混乱しそう。



『わかった。よく考える。

柚希、じゃあね。
また学校で。』



「陽菜、俺は…

なんでもない。じゃあな!」




ばいばい。
これで、前に進めるかな?



この時の私は知らなかったんだ。
恋は儚く、辛く、難しいということを。