公園のベンチに人影が見える。



深い深呼吸をして、自分を落ち着かせる。



覚悟を決めよう、そしてちゃんと伝えよう。




『急に呼び出してごめん。』



「陽菜から電話なんて今までなかったのに、びっくり」



そうだよね、今まで勇気がなかったのに。



『柚希、真剣に聞いてほしい。』




「うん。」




『柚希がすきです。』



「えっ。」



落ち着け、落ち着け自分。
ちゃんと伝えなきゃ。



『ずっと素直になれない自分にイライラしてた。

素直に好きって言えばいいのに何も伝えられなかった。

だから、前に進むためにも今度はちゃんと伝えようと思ったから、』




「陽菜、陽菜はあいつと付き合うために俺と区切りをつけたのか?

そんな区切りいらないだろ?」




柚希が私から離れていって、すごく怖かった。


怖いと同時に、私が知らない柚希が沢山いて虚しかった。


あんなに一緒に過ごしてきたつもりだったのに…