「陽菜がそう決めたなら、俺は何も言わないよ。

待ってるから、陽菜の気持ちの整理がつくまで。」




『うん、ありがと。』



前に進むためにも、この気持ちを伝えよう。



「めんどくさいことになったな…」



『ん?何か言った?』



なんか、小さい声で言ったような?



「なんでもないよ?」


気のせいだったのかな?
まぁ、そういう時もあるよね。



『うち、今から会いに行ってくるね』




「え、今から行くの?」




早いほうがいい、そう思うといてもたってもいられなくなった。




『ごめん、こんな気持ちで裕大と一緒に過ごせないし。』




「そっか。行ってきなよ」



私は走り出した。
この決心が鈍らないように、今ある勇気が消えないように。



『もしもし、今から会える?』