柚希を忘れる決意をしたのに。



なんで、今更っ。
ごめんなさい、本当は分かってたの。




心の半分以上を占めている、気持ちの正体に。




でも、気づかないようにしてた。
どんなに気持ちを固めても完璧に忘れる事は出来ないから。




「いいよ、そんなの。
俺はいつまでも待つよ。

陽菜に傷つけられて悲しいとかじゃなくて、陽菜を泣かせてるあいつにむかつく。

俺は陽菜を嫌いになったりしない、もしまた悲しくなったりしたらたくさん泣けばいい。

泣いて少しでも気持ちが軽くなるなら、俺はその涙を何度も拭うから。」




そう言って、裕大は私の頬に手を滑らせ涙を拭った。




きっとこのままじゃ絶対に進めない。
このままじゃ、裕大を傷つけてるだけになってしまう。




『裕大、私決めた。


私と、



別れてください。』




突然言った言葉に裕大は驚いていた。



「なんで?
俺は受け止めるって、」




『だからこそ、私は柚希にちゃんと気持ちを伝える。

キッパリ振られてから裕大と向き合う。』




きっと、この気持ちもうやむやにしてもダメだと思うから。