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side.Raru

「「に、200万マナ!?」」

「「嘘でしょ!?」」

「「そんなの人間じゃない!」」

放送があった後、その場は騒然となった。

それもそうだろう、普通に考えたら
......
リリーの魔力量は普通じゃないから。

でも、普通じゃないからってリリーを敵視す

るのはやめて欲しい。

……リリーだって普通の女の子だ。

だから俺はこちらに向く視線全てを無視して

至って明るく、リリーに話しかけた。

「やっぱ凄いね?リリーは。」

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side.Lily

私の魔力量が発表された後、

私はたくさんの視線を集めていた。

その種類は様々で、最も多いのが恐怖、嫉妬
....
、警戒……など、ほとんどが敵視する内容の

ものばかりだった、

視線が嫌だ。

あの頃、『死神』と呼ばれていた頃に、

重なるから。

ラルと会う前の暗闇に

戻っていってしまう……。


「やっぱ凄いね?リリーは。」

ラルがこっちに向かいながら話しかけてきた

暗闇に光が戻った。

「そんなこと無いよ、危うく機械壊しちゃう所だったし、もっとセーブしなきゃいけなかった。」

ラルが居ればもう視線なんて怖くない。

「まぁ、それはあるな?これからはちゃんと気をつけなきゃ」

ラルはそう言いながら私の頭を優しく撫でてくれた。

「……ありがとう。」

ラルと一緒に居ると幸せなんだ。

「うん。」

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side.Raru

リリーが暗い顔をしていた、

リリーはもっと幸せになれるはず。

それなら俺がリリーを幸せにする。

俺が近づくとリリーは俯いていた顔を上げた。

大丈夫だ、俺が近くに居るから。

そういう気持ちを込めて頭を撫でてやる。

リリーは花が咲くように笑った。

やっぱりリリーは笑顔が1番可愛い。

「……ありがとう。」

俺はリリーが隣に居なきゃ幸せになれない。

「うん。」