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Side.Lily

桜夜が呼び出した召喚獣は5体。

応龍、鵺、件、土蜘蛛、ヴリトラ。


どの召喚獣も力が強く高位のものであるのが伝わってきた。

やっぱオーラが違うの!

なんかこう、凄いのとにかくスゴいって感じなの!(語彙力がない)



次は、桜蘭こと、星蘭の番かな?

様子を見に行ってみようかな。





『それでは、星蘭様、召喚獣を一体ずつ召喚してください。』

「……わかりました。」

「 __Isa da boema foton doremren
ife I she cooka Loo zo via__…
来い…青龍。」

桜蘭が最初に呼び出したのは青龍。その名の通り青い龍で、氷を操る。

ってか、桜蘭って話すの苦手なのかな~?
いつもなんかボソボソ話してる気がする。

もっと声張っていこーぜ!

なんちゃって。



とか私がふざけてる間に桜蘭はもう最後の5体目の召喚に入っていたみたい。

桜蘭が今までに召喚したのは、青龍、玄武、白虎、朱雀の4体。
そして桜蘭が最後に召喚したのは……

「 __Isa da boema foton doremren
ife I she cooka Loo zo via__…

来い…鳳。」


桜花が召喚した凰の片割れ、鳳だった。


鳳凰は2匹揃って鳳凰なのだ。片方では半分の力しか出ないけど、2匹揃うと、その力は2乗になる。

私は、

ああ、やっぱり。

と、そう思った。


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Side.桜花

星蘭という方が鳳を召喚したと聞いて私は驚いた。すぐに走った。

会わなきゃいけない。

鳳と凰をあわせてあげなきゃ!

と思ったから……。

理由はそれだけだろうか?

でもとにかく、私が言った時には、その星蘭という方はいなかった。

まるで故意に姿を隠しているかのように。


何処へ行ってしまったのだろう。

いつか、同じように誰かを捜した事があるのを思い出した。
あの時は誰を捜していたんだっけ。
あの時はその誰かを見つけることが出来たのだろうか。

分からない。

自分の記憶なのに。

それが、とても悲しい。

会わなきゃいけない。と

こんなにも心が叫ぶのに、

私には貴方を見つけることが、



出来ない。


泣きたくなって俯いた。


その時後ろから誰かに頭を撫でられた。

それは、懐かしい、懐かしい手の感触で……

そして、すぐに消えてしまった。

ハッとして後ろを振り返ったら、そこには…


誰もいなかった。

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Side.桜蘭

桜花がこちらに近づいている気がして、俺は魔法陣からすぐに離れた。

案の定、すぐに桜花はやって来て、俺は隠れるのが間に合って良かった、と思った。

チクリと胸を刺す痛みには、気付かないふりをして。


さっきの彼女は少し様子がおかしかったんだ。誰かを捜すようにキョロキョロとして、やがて諦めたように俯いてしまった。


そう彼女のその行動が悪かったんだ、

それがなんだか放っておけなくて、

気づいたら彼女の淡い桜色の髪に手を伸ばしていた。

いつか、俺達がまだ子どもだった頃のように……。

「……!」

ハッとした。


俺は何をしているんだ、と慌てて手を引っ込めて、

その場から立ち去った。



彼女のサラサラとした髪の感触は、しばらく俺の手から消えてくれそうもなかった。