気になったこと。


柊さん、彼に話しかけなくなったな。


それは葛西くんも同じで、

柊さんに話しかけなくなった。



葛西くん、私とよく話すようになってる…?


そう考えると自分が特別な気がして

凄く嬉しかった。



『誕生日いつ?』

『何型?』

『俺のお母さんね、』

『今日めっちゃいい天気じゃね?』


葛西くんの発する言葉1つ1つが
心に刻まれていく。


普通の会話で胸が弾んで
話しかけられて フワッとした気分になる。



「──え、お前…が好きなの!?」

ふと耳に入った言葉

「ちょ、やめてよ!」

今の声は

柊さん だ。


誰が好きだって?

聞き取れなかった。


「柊の好きな人……何だって!」


やっと聞き取れたその人は──…






あの子の好きな人は 葛西くん だった。