葛西くんは人気者。


人気者はモテる。


「あははは!もう〜やめてよぉ!」

「バカ、静かにしろよ(笑)」

──チクン


隣で繰り広げられる会話。
黙って聞くしかない。

柊さん、仲いいもんな…。


この2人の輪に入れない。


「あーもう…やーめーて!」

「うるせーwやめるか、バーカ」

──チクン

さっきから胸がチクチク痛い。

でも、ほんとに痛いわけじゃない。


…苦しいのかな。

とか考えると悲しくなってきて鳥肌が立つ。


なんか、嫌だ。

モヤモヤってする。



カタン と席を立ち
友達の元へ向かう。

「あ、ねぇ!」

たった瞬間呼び止める声がした。

私のこと ねぇ なんて呼んでるのは
君だけだよね


「…何」

「あー。また消しゴム貸してくんね?
使いにくくて」

「…はぁ。またぁ?
自分のないの?」

「使いにくいの〜」

「仕方ないなぁ」


嬉しい。
さっきまでの痛みが スゥって消えていく。

話をわざわざ終わらせてくれたの?


どうしよう。

自分の都合のいいように解釈しちゃう。



思わず強く放つ言葉。


思わず強がってしまう心。






私は相当君に溺れているみたい