葛西くんは、クラスの中の王子様。

私は、クラスの中の普通の町人。


貴方と私はまず、住む世界が違う。



いつも見つめてるだけで、
何も行動できない。



「ねぇ、消しゴム貸してくれない?」



葛西くんは絶対私のこと名前で呼んでくれない。

それでも話せて嬉しくて。


「昨日さ、借りたままだった。

ありがとう」



…ずっと持ってて良かったのに。





君が私の手にのせた消しゴムを
みつめて思った。