「…あ…多分、練り香水かも。蜜柑みたいな匂い?」 『うん。…ん…良い匂い♪』 「ちょっ…!夏音さん―!」 あまりに冴木君の様子が焦ってる様に感じて、私の中のいたずら心に火が点く。 首筋に直接鼻先を押し付け、その瞬間ふにっと彼の柔らかい肌に触れた。 「―あ、お姉さんだ!」 『へ?!』 お姉さんという発言に体が強張り慌てて姿勢を正す。しかし、周りをキョロキョロ見回してもお姉ちゃんの姿は無くて……運転席からクスクスと小さな笑い声が聞こえてきた。