『…実は…父が…事故にあったと姉から連絡があって…ドクターヘリで救命救急センターに…運ばれたそうです。』
「えっ─?」
『意識レベルが、悪くて…意識不明のっ…じゅう…た…い…で─』
「…………」
お姉ちゃんから聞いた時は聞けていたけど、自分の口から誰かに話していると更に不安や絶望感が底無しに溢れてきて…全身の力が抜けていくのが分かった。
藤枝さんは、うん、うんっと静かに話を聞いてくれて言いたい事は全て伝えられた。
『…これから、病院に行こうと思います。』
「そんな状態で運転出来るの?」
『運転は無理だと思うので…タクシーで行きます。』


