一度深呼吸をして、藤枝さんに電話をかけるとコールは数回で途切れお店で流れているジャズと、何やら賑やかな厨房内の音が聴こえ、そして陽気な声が耳に入ってきた。 「はいはい、夏音ちゃん?どーしたぁ~??」 『あ、お疲れ様ですっ…その……藤枝、さんに…お話があります…。』 「??……そっか。ちょっと待ってね。」 場所を変えてくれたのか、賑やかだった音がシンッと止んだ。 「どうしたの?何かあった?」 先程とは違う、冷静な声色の藤枝さんだ。