いつも明るくて面白くて、フランクだけど頼れるお兄さん肌の裏側にこんなにも卑劣な過去があったなんて思わなかった―。
「夏音ちゃんの事は守れたから良かったよ。ちゃんと奥さん…見てくれたかなー?俺の勇姿♪」
いつも笑って見守ってくれて、相談もしやすくて大人な考えを持った強い人って私の中では成り立っていた。
私の涙腺は崩壊して次々と涙が溢れ出る。
もどかしくて悔しくて悲しくて…怒りも沸々と私の胸の中で色々な感情が煮えたぎる。
ついには手が震えだして目の前が左右に揺れ始めた。
『っく…!んぐっ…っ…!』
「…夏音さん…手、貸して?」


