『!!?』

「あれ…♪びっくりした?…次は本番だけど…あと3秒以内に水くれたら免除してあげる♪」

私の唇に宛がわれていたのは彼の唇ではなく指の腹。
だからと言って落ち着けない。

だって、口を開く度に楓さんの唇が少しだけ触れそうになってるから。

(わざとこの距離まで接近して、またからかって…!)

苛立った勢いで力一杯両手で楓さんを突き放した私は、グラスに並々水を注いで楓さんに手渡した。

『どうぞ!!』

「ははっ、そんな勢い良く拒否んなくても良いじゃん♪照れたの?」