最初は藤枝さんに微々たる余裕があったけど、段々と重々しい空気に変わっていく。
「…暴行事件に巻き込まれてその時に目の前で命を落とした。」
『えっ…?』
「………。」
唖然とする私の横で、冴木君はひたすらココアを飲んでいて…必死に何かを考えている様子だった。
「…barの仕事帰りに当時ストーカーされてた男に殺された。」
その言葉に胸がドクンと嫌な音を立てる。
何となく嫌な予感がしてたから。
「襲われてる現場を抑えて、相手に殴りかかったけどあの頃は弱くてね。簡単に突き飛ばされて打ち所が悪かったのか、情けない事にそのままお寝んね。」


