『…マスターらしいね…♪』
底知れぬ藤枝さんの優しさにふと笑みが溢れる。
「でしょ?…それがマスターとの出会い。
…その後は体も暖まってきたし、店を出ようとしたんだ。その時に呼び止められて振り返ったら尋常じゃないデカいオムライス持って来てさ。お待たせ♪…って。」
ジェスチャーでその大きさを現してる時の冴木君の表情に一切、影は無くて無邪気な笑顔。
少しだけ安堵したけど…でもやっぱり心が痛くて―。
「金持って無いから払えませんって言ったら、だったらウチで働いて金返せば良いじゃん。それに…っ…出された物を残すのは…失礼だぞ…って…!」


