「うん。…なんかね全部がどうでも良くて、
どうなろうと構わないって思ってたんだ。別に俺が居なくなっても誰も困らないしって。いっその事消えた方が楽なのかなって―」
『っ…!そんな事ないっ!!!』
この時私は彼の浴衣の裾を力強く引っ張り、つい声を荒げてしまった。
…私も同じ事を考えた時期があった。
でもそれは、大事な人からして見たらこんなに悲しくて怒りを覚えるのだと実感させられた。
「…今は夏音さんが居るからそんな事思わないよ。…ただ前は色々重なって気持ちに余裕が無かったからさ。
今はちゃんと…今を大事にしたいって気持ちが有るし、そんな事考えた時も無いから♪」


